柔道整復師・整骨院・接骨院についてのQ&A
柔道整復師とは?
柔道整復師は、大学または養成校で、基礎医学と骨折、脱臼などの柔道整復術、関係法規を学び、国家試験に合格して取得した国家資格者です。一般的に、ほねつぎ、整骨師、接骨師として広く知られ、厚生労働大臣免許のもとで骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷(筋・腱の損 傷)などの施術(治療)をする職種の正式名称です。 その専門性から、柔道整復師は、整骨院・接骨院のほか、医療機関やスポーツの現場、介護保険制度での介護事業所などでも活動しています。きめこまかい健康管理のパートナーとなっております。
柔道整復師は何故、柔道の名称がついているのですか?
柔道整復師は古くは「接骨師」、「ほねつぎ医者」と呼ばれ保存的に外傷を治療する我が国固有の伝統医学です。その源流は種々ありますが、一説に元和5年(1619)に来日した陳元贇との説があります。元贇は中国の嵩山少林寺で武術と医術を学び長崎の地にて柔術と接骨術を伝えたと言われています。ここに世界でも例を見ない武医同術の医学が誕生し、後の大正9年に柔道整復との名称にて今日に至っております。
柔道整復は伝統医学ですか?
柔道整復師の歴史を遡ると武術へと辿り着きます。戦国時代の武士は敵を殺傷する技法「殺法」と共に、「活法」と称される応急処置法や蘇生術の技法習得が必須でした。この「活法」は、「殺法」の裏技として相伝され、江戸時代に蘭学や中国医学、実証医学等の影響を受け「整骨術」、「接骨術」、「骨(ほね)継(つぎ)療治(りょうち)」と呼ばれ受け継がれてきました。大正期以降は西洋医学の知識を取り入れ「柔道整復術」として今日に至っています。
整骨院・接骨院とは?
整骨院・接骨院は、日常生活や、スポーツ活動中、勤務中、交通事故などによって発生したケガ(外傷や痛み)に対して施術(治療)を行うところです。 その施術(治療)では、医科と異なり手術や注射、投薬などの外科的な手段によらず、古来より伝承されている手術をしない「無血療法(徒手整復)」という独特の手技によって施術(治療)を行います。 具体的には、骨折や脱臼、捻挫、打撲、挫傷などのケガに、整復・固定・後療などを行い、人間が本来持っている自然治癒力を最大限に引き出させる施術(治療)を行っています。
整骨院・接骨院・ほねつぎは、どのように違うのですか。
名称が違うだけで、すべて柔道整復師の資格を持った人が行っている施術所なので同じです。
カイロプラクティック、整体などがありますが、どう違うのですか?
カイロプラクティックや整体院を開設している方々は、国が認めたライセンスではありません。また、具体的な業務範囲を定めた規則などもありません。したがって、カイロプラクティック、整体院では健康保険が適用されないで自由診療となることが大きな違いです。 柔道整復師は、外傷性が明らかな骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷などのケガを主に取り扱うのが一番の違いです。そのために、大学または養成校で専門的知識(4年~3年間)を学び、国家試験に合格して、柔道整復師名簿に免許の登録を済ませて後、初めて業務として従事しています。
整骨院・接骨院は、どんなときに利用できますか?
整骨院・接骨院では、骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷など、外傷性が明らかな骨、筋肉、関節など運動器系のケガをされたときに施術(治療)を行っています。なお「外傷性が明らかな」とは、いつ、どこで、どうして負傷したかを施術録(カルテ)に記録してあることをいいます。
レントゲン検査は、できますか?
整骨院・接骨院では、レントゲン検査はできませんが、症状により必要な場合には、協力医療機関に紹介し、診察やレントゲン検査を受けることができます。
「ねんざ」ってどうなってるの?(捻挫って?)
一般には関節周囲の骨以外の組織が傷んだ状態を言い、人体各々の関節には可動域(関節の動く範囲)がありますが、転んで手を強く突いたり足や腰などを捻った際に、 それぞれの関節が可動域を超え、じん帯、筋、腱等が異常に伸ばされたり、傷ついたりすることをいいます。内出血を伴い強く腫れ上がる場合もあり、関節使用時には痛みを伴います。 是非、整骨院・接骨院へお気軽にご相談ください。
「ねんざ」がくせになるってホント?
本当です。きちんとした手当てをしておけば、ほとんどの捻挫は治りますが、安静が不十分であったり、手当ての仕方を間違ったりすると傷ついた関節周辺の組織が 元に回復しにくくなって、関節を守っているじん帯・筋肉・腱等が緩んでしまった状態になり、ちょっとしたことで捻挫を繰り返しやすくなります。
「ねんざ」の治療ってどんなことをするの?(捻挫をしたときの応急処置って何をすれば良いんですか?)
患部を動かさないようにして、まずは氷か・氷水でよく冷やしましょう。腫れを早くおさえることにより炎症や内出血を少なくすることができます。できるだけ早く整骨院・接骨院で手当てをしてもらいましょう。 急性期の治療で大切な処置は以下の事項で、通常頭文字からRICEと呼んでいます。
R(Rest)安静・I(Icing)冷却・C(Compression)圧迫・E(Elevation)挙上
少しでも早くケガを治すには、どのようにしたら良いでしょうか。
先ずケガの状態を正確に把握すること。そして、それに応じた処置をすることです。仕事やスポ-ツでなかなか休めない場合もあると思いますが、ケガのケ-スに合わせた安静も必要です。
突き指をしたときは、指を引っ張る方がいいのですか?対処法は?
突き指には、骨折や指の関節の脱臼、捻挫(靭帯断裂を含む)、腱の断裂、打撲などが含まれます。突き指をした場合、指の関節を支えるじん帯や腱を痛めており、無理に指を引っ張るとそのじん帯や腱が切れる恐れがあります。先ずは安静にして患部を良く冷やし、早めに整骨院・接骨院で施術をしてもらってください。必要に応じて協力医療機関へ紹介することもできます。
「子供(乳幼児)の手がぬける」という話を聞いたのですが、どんな状態ですか?
子供(乳幼児)が転倒したり、大人が強く子供(乳幼児)の手を引っ張ったときに肘関節部で亜脱臼を起こすことがあります。上記のような原因の後、子供が泣き出し、急に手を動かさなくなったら早めに受診してください。
3日前、日曜大工で重たい物を運んでから、だんだん腰が痛くなってきました。どうしたらいいですか?
腰の外傷性損傷の可能性があります。一度、整骨院・接骨院でご相談してみてください。
骨折をした場合、必ず手術が必要なのでしょうか。
骨折の治療法には、手術をして骨折の処置をする観血療法と手術を行わないで骨折の処置をする無血療法の2通りがあります。柔道整復師が行うのは無血療法です。骨折して、骨のズレがひどかったり、骨を元に戻しても骨の安定性が悪かったり、無血療法ではどうしても元に戻せないような骨折は、手術の対象になります。
整骨院・接骨院で包帯を巻くのは?
包帯は、患部の固定・圧迫のために巻きます。例えば、骨折の場合には、骨折部が動かないよ うに、固定用の副木などを当てて包帯で固定します。捻挫や打撲では、痛めた関節や筋肉に包帯を巻くことで患部の安静を保ち、動かしたときの痛みや負担を軽減し、さらに圧迫することで内出血を抑えることで早期回復につながります。
朝起きたら腰や首筋が痛くて洗面も不自由の状態です。整骨院・接骨院で診てもらえますか?
整骨院・接骨院での受診はできます。一般的に、腰痛や首の痛みといっても様々な原因があります。そういった場合の判断も行い、他の疾患の可能性がある場合には、必要に応じて協力医療機関へ紹介します。近隣の整骨院・接骨院へお気軽にご相談ください。
荷物を持ち上げようとした時、腰に激痛が走り動けなくなりました。ギックリ腰だと思うのですが、整骨院・接骨院で診てもらえますか?
「ぎっくり腰」は、関節捻挫・筋肉の損傷・筋膜性炎症などの症状です。 整骨院・接骨院での施術(治療)ができますので、お気軽に近隣の整骨院・接骨院へ。 他の疾患などが疑われる場合は、必要に応じて協力医療機関へ紹介します。
子供が転んで手首を痛がっています。骨が大丈夫かどうか整骨院・接骨院で検査できますか?
骨折や脱臼の検査は、徒手検査が可能です。それでも検査が必要な場合は、必要に応じて協力医療機関へ紹介することもできます。まずは近隣の整骨院・接骨院へお気軽にご相談ください。
骨折で関節が固まってしまい、良く動きません。整骨院・接骨院で診てもらえますか?
骨折で何日か経過してからの施術(治療)は、いままで受診されていた病院・医院(医療機関)などの担当医からの「紹介状」、「依頼状」または、施術(治療)に対する「同意」のいずれかが必要となり、その確認があって整骨院・接骨院での施術(治療)が可能となります。
施術(治療)内容は、運動療法や手技療法、温熱療法などを行い、動きの悪くなった関節を緩める事を行います。ケガをしてから今までの期間や負傷したときの程度により、今後の回復度が違いますので、一度、近隣の整骨院・接骨院にご相談ください。
不安や心配な点があればお気軽にご相談ください。