「腰痛予防には背筋力が重要!簡単3つの強化方法」について解説します。
■【腰痛予防には背筋力が重要】■
腹筋や背筋などは、体の幹を支える重要な筋肉です。
腰痛の改善や予防のためには、これら腹筋・背筋の筋力を鍛えることが重要となるでしょう。
人間の背骨はS字型になっていますが、そのうち下のほうのカーブをえがくあたりに、「腰椎」と呼ばれる部位があります。
この腰椎は、普段、腹筋と背筋の筋力に支えられています。
背筋力が不足していると、、、
腹筋・背筋の筋力の低下により腰椎を支えきれなくなると、腰椎が変形・湾曲してしまう場合があります。
この腰椎の変形が人間の体にさまざまな問題をもたらします。
例えば、腰痛も腰椎の変形がもたらす深刻な問題のひとつです。
なお、腰椎の湾曲の原因として考えられる例は、低下した筋力で支えきれなくなる事ばかりではありません。
例えば、肥満などで腰椎の湾曲が促進されてしまうケースも考えられます。
腰痛の原因となる腰椎の変形を回避するためには、腹筋や背筋を鍛えることが必要です。
腰椎は人間の体の中心にあり、体全体に影響を与える重要な部位です。
腰痛改善のために、腹筋・背筋といった一部分のみを集中して鍛える事も良いでしょう。
しかし長い目で見るなら、特定の部位に限らず体全体の筋力を鍛えることを意識したほうが良いのかもしれません。
そもそも背筋力とは?
まず背筋力とは、背中の筋肉の総筋力のことをいいます。
背筋をピンッと伸ばして、身体を前に倒した状態から、一気に直立(真っ直ぐ)に戻るときに最大限に出すことができる力です。
小学校や中学校などの学校の体力測定で、背筋力計で計測をあなたもしたことがあると思います。
背筋力測定器を使用した「成人男性の標準は130~155キログラム」「成人女性の標準は70~95キログラム」という事です。ちなみに、有名トップアスリートの計測値は
室伏広治選手(ハンマー投げ)…389キログラム
千代の富士(大相撲)…330キログラム
松坂大輔選手(野球)…260キログラム
イチロー選手(野球)…255キログラム
松井秀喜選手(野球)…240キログラム
武蔵丸(大相撲)…225キログラム
井上康生(柔道)…200キログラム
カレリン(レスリング)…400キロオーバー
野生のゴリラ…400キログラム
となっています。
この背筋力を生み出すものは?
・棘腕筋(僧帽筋・広背筋・菱形筋・肩甲挙筋)
背部浅層にある筋肉で「浅背筋」ともいわれる腕との関係を保つ役割。
・棘肋筋(鋸筋)
背部浅層にある筋肉で棘腕筋と棘背筋の間にある薄い筋肉
・棘背筋(長背筋・板状筋・脊柱起立筋・横突棘筋)
背部深層にある筋肉で「固有背筋・深背筋」などともいわれる。
・短背筋(棘間筋・横突間筋・後頭下筋)
棘背筋のうち、短筋である筋肉
・棘上筋・棘下筋・大円筋・小円筋
なぜ、背筋力が腰痛予防に必要なのか?
腰痛にには大きく分けて2つの種類があります。
①腰に負担がかかる動作(無理な姿勢・無理な運動)で「脊椎・腰椎・神経・筋肉」などに障害
②腫瘍などの慢性疾患
今回の腰痛予防のための「背筋力の向上」は、②腫瘍などの慢性疾患には、効果はありませんのでご注意ください。
まず、腰痛になる原因は
①姿勢が原因の腰痛
長時間のデスクワークでのパソコン作業などにより、猫背姿勢で筋肉に負荷がかかっている
②運動不足が原因の腰痛
運動不足のため、腰や背骨を支える筋肉
・腹筋(外腹斜筋・腹直筋など)
・背筋(腰腸肋筋・最長筋・脊柱起立筋・広背筋・大腰筋・大臀筋など)
が弱体化し、筋肉が緊張して硬くなり負荷がかかっている。
③精神的な緊張が原因の腰痛
仕事や家庭でのストレスにより、脳内物質のバランスが崩れ、痛みを抑制するドーパミンの分泌が減って痛みが抑えられない。
この腰痛原因を見てみると、姿勢や筋肉不足を改善することで、多くの腰痛を改善できることが分かると思います。
背筋力を強化する3つの方法
①【ダンベル・ローイング】(僧帽筋・脊柱起立筋・広背筋)
ダンベルか水入りペットボトルを2本準備し、両手に持って膝を軽く曲げて立ちます。
床に対して上半身を約45度の角度に倒し、胸を張った姿勢で維持します。
肩甲骨を中心に、肘を真上に上げるように引き上げ、下ろしを約3秒づつ繰り返し行います。
無理をし過ぎない程度で、やってみてください。
―――「やってみると」
肩甲骨周りの筋肉を意識しながら肘を引き上げると、肩こり気味の背中の重さが解消されます。
また、回数をこなすにつれて広背筋への疲労感が感覚的に分かります。
②【バックエクステンション】
(脊柱起立筋・大臀筋)
うつぶせに寝た体勢になり、手は後頭部付近に当てます。
そこから反動を付けずに、体を反らて戻す運動を行います。
ゆっくり背中の筋肉を使って行うと効果的です。
―――「やってみると」
脊柱起立筋に負荷がかかっていることがよく分かります。
普段の生活では行わない姿勢ですので、初めは少しキツイかもしれません。
脊柱起立筋・大臀筋に心地よい疲労感を感じると思います。
③【グッドモーニングエクササイズ】(脊柱起立筋・大臀筋・前脛骨筋)
両足を肩幅に広げ、両手を後頭部(耳の後ろ)で組み、グッと胸を張った状態で、お辞儀をするように上体を前に倒し起こします。
意識して胸を張り、腰から90度前へ倒すようにやってください。
―――「やってみると」
脊柱起立筋・大臀筋への負荷を感じますが、運動不足の人は太ももの大腿四頭筋などにも負荷がかかっていることを実感できると思います。
見た目以上にハードなトレーニングですので、計画的に継続すると、しっかりとした効果を得られます。
まとめ
背筋力とは、背中の筋肉の総筋力のこと
腰痛の原因は、「姿勢の悪さ・運動不足による筋肉の弱体化・精神的なストレス」
背筋力を強化する3つの方法
1.ダンベル・ローイング(僧帽筋・脊柱起立筋・広背筋の強化)
2.バックエクステンション(脊柱起立筋・大臀筋の強化)
3.グッドモーニングエクササイズ(脊柱起立筋・大臀筋・前脛骨筋の強化)
最後に、腰痛は諦めなければ必ず解決できるものです。